店主 田中 いよ |
飯付けは外気温22℃以上になった頃が最適かと思われます、塩切りの鮒はこの頃を目安にしてご用意願います。 飯漬け作業は6月上旬〜7月上旬までが最も良い時期です。飯付けは外気温22℃以上になった頃が最適かと思われます、塩切りの鮒はこの頃を目安にしてご用意願います。 飯漬け作業は6月上旬〜7月上旬までが最も良い時期です。 |
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1、桶の準備 |
ポリ容器を使用される際は、鮒5kg単位でお米は約4升で加工するのが基本です。
一度に2〜3匹しかださない場合には、底になるほどご飯は酸っぱくなりがちで味が落ちるので、少なめに飯漬けされるのが良いかと思います。 |
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2、ご飯の準備 |
お米は魚5kgに対して約4升の割合で炊きます。 ご飯を完全に冷まして、塩はおにぎりの場合よりやや多めに混ぜる。 前年のふなずしの白いご飯がある場合には、乳酸発酵促進原料となるので冷めたご飯の中に一握りほど添加します。 なくてもOK。 |
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3、鮒の準備 |
塩切りした魚を取り出し、カギでエラや口から消化器片や口腔粘膜等の内臓を全て取り除いて水洗いをします。 内臓が残っていたり洗浄が不十分な場合には、ご飯が変色したり異臭の発生原因になります。 |
十分に水分を取り除く為に頭を下に向けて2〜3時間陰干しをします。 扇風機等で除湿すれば虫も寄り付かなく効果的です。 |
焼酎に1〜2時間漬けると、乳酸発酵が促進され、”生臭さ”も抑えられます。 ただし、あまり長時間漬けると風味が損なわれるので気をつけてください。 焼酎の量は、魚がまんべんなく漬かる程度で、重石をのせてください。 |
焼酎から、取り出した魚は頭を下に向けて4〜6時間陰干しをしてください。 虫が寄り付かないように、蚊帳等を用いると良いでしょう。 |
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4、漬け方 |
一握りぐらいを手にし、ご飯を魚のエラから詰め込んで魚の中をご飯でいっぱいにします。 (お酒に加塩したものを手水として用いると、ご飯の指離れがよくなります。) |
1段目、つまり底はご飯を約10cmの厚さまで敷き詰めます。 |
2段目、魚同士が触れ合わないように、ご飯の上に魚を敷き詰めていきます。 |
3段目、下に空気が残らないように、ご飯をしっかり敷き詰めていきます。 |
以後は、魚の層とご飯の層を交互に桶の8割方まで漬け込んでいきます。
最上部のご飯の上にさらしのような清潔な布で覆います。 その上に落し蓋をしますが、周囲に隙間が出来るばあいがあるので、桶の周囲にそって”ツダ”(三つ編みにしたわら縄)を強く押し込みます。 |
最後に、鮒5kgあたりに20kg〜30kgの重石をします。
※重石が軽すぎると内部に空気が残り、乳酸発酵が妨げられ品質が低下し、腐敗の原因となります。 |
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5、熟成期間にすること |
漬け桶は、低温で通気がよく雨露やほこりが浸入しない場所に置く。 |
水張りは、漬け込んで1日後からしますが、外気温が高ければ10時間後ぐらいから水を張ります。
※この注水は乳酸発酵を促すために空気を遮断し、ハエが抱卵するのを防ぐ大切な工程です。 |
ご飯が発酵したらさらに重石を加えます。 表面にザミ(産膜酵母群)が浮いてきたら、速やかに水を交換し、小鉢一杯分の濃い塩水加える。 |
水交換は1ヶ月に4回が目安です。 多すぎると水臭くなったり酸っぱくなったり、また魚の骨が柔らかくならないことがあり、この期間における水交換の適否が品質に大きく影響します。 |
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6、仕上がり |
飯漬けから、5ヶ月程で食べられるようになります。(6月に漬けたら、11月には食べられます。)
ふなずしを取り出す時は、重石をしたまま桶を逆さにし、別の重石を上(底板)に置いて水分が出なくなるまで待つ。 これを”逆さ重石”といい、漬け飯を柔らかくしないための工夫で、『ふなずし』独特のまろやかな風味を長持ちさせるために効果的な取り出し方法です。 逆さ重石は、ご飯の中の水分を取り除くためであり、水分が残っていると底のご飯がベタベタになる。 |
水切り後に桶を元に戻して適当量の『ふなずし』を取り出し、魚が露出しないように周辺のご飯で注意深く覆った後、落し蓋と重石を置き、注水は翌日にします。 ※魚を取り出した箇所は空間ができやすいので、盃一杯の塩を放り込んでご飯で埋めるようにしてください。 |
骨が硬かったり異臭や酸味が強い場合は、乳酸発酵が不十分ですので、上記の注意点を気をつけるようにしてください。 |