商売の繁栄とお客様の招福を願い、表紙に『大福帳』と大きく筆書きし、1年1度新調した売り買いを記録した現代の帳簿のルーツです。
この記録を元に、盆・暮の年2回、お客様を訪問し売り掛け代金の回収をしたそうです。
もともと紙は水に弱いものですが、この『大福帳』に使われた紙は、『こんにゃく糊』を使って漉いたと言われています。
『大福帳』は今で言う帳簿ですから、火事などで燃えては大変です。
火事の時はまっ先に持ち出し、井戸の中へ投げ込んだそうです。
後で引き揚げて乾かせばまた使えたそうですから、耐水性は抜群だったようです。
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実はこの『大福帳』、お茶屋にとってつい最近まで、大切なリサイクルの資源だったのです。
お茶屋の大切な道具のひとつに、『箕』(み)というものがあります。 この『箕』は、竹を丁寧に割いて編み、
和紙を水糊で形にそって貼り、乾いてからさらに『柿渋』を幾重にも塗って、耐久性と柔軟性に富んだ、
お茶をすくうのに使う、現代の樹脂製品とは比較にならない優れた道具です。
そして、この『箕』の和紙が使っていくうち破れたとき、この『大福帳』の和紙を貼り、
また柿渋を塗って、仕事の合間に修繕するのに使われました。
今ではこの『箕』すら職人さんが日本で数人しかいなくなり、非常に貴重な道具となってしまいました。
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今年1年の招福・開運を願い、
明治時代の『大福帳』の和紙を巻いた、
自慢の銘茶をお届けいたします。
※巻紙は、実際に使われていた明治時代の大福帳の和紙を使用しております。
長い年月を経て、変色、シミ、虫食いの穴等があることもございます、ご了承くださいませ。
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